遠慶宿縁

「遠慶宿縁」① (とおく しゅくえんを よろこべ)

別院の本堂正面に掛けてある扁額です。これは1899年(明治32)本堂建立を記念して彰如上人より、揮毫(客殿の一幅)されたものを木彫したものです。

 この言葉は、親鸞聖人が浄土真宗の教えを書き残された「顕浄土真実教行証文類」の最初に書かれている、「総序の文」にあります。

 『世の中の永い永いご苦労の歴史を経て、法蔵菩薩の誓いが阿弥陀仏の働き【念仏】とまでなって出てくださいます。遇い難くして会い得たこの慶びをしみじみと戴きます』このような意かとおもいます。これからしばらく総序の文を味わってゆこうと思います。

「遠慶宿縁」②

世を生きる喜び悲しみ苦しみ、人を生きる苦悶を抱えて、人間親鸞は20年間比叡の山門に厳しい戒律を実践しながら仏道修行に励みました。当時の生活の様子を伺う史料は少なく、1921年(大正10)発見された妻恵信尼の10通の手紙に依って、常行三昧堂で不断念仏を修行する「堂僧」であったことがわかりました。多くの経典や往生浄土の書物を修学して仏道成就を目指すのですが、払えば払うほど押し寄せる煩悩の炎から自身を救済する頷きが得られなかった。悩みぬいてついに比叡山を下り、吉水の法然に出会うこととなります。

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遠慶宿縁